Singles+α

THE BOOM Singles+α歌詞
1.君はTVっ子

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

今日のデートは何だか変だな
あの娘がそわそわ 落ちつかないんだ
僕より今夜のTVがお目当てなんだ
時計の針が ぐるぐる回る
銀座で待ち合わせたのが 悪いのかな
僕より今夜のTVがお目当てなんだ

TVっ子 愛しのTVっ子
目を白黒させて 君はTVに夢中
君の気をひくためなら空から飛んでもいいよ

せっかく贈った花柄スカート
いつの間にやら TVカバー
僕より今夜のTVがお目当てなんだ
ブラウン管から黄色い声がする
あの娘がTVに吸い込まれちまった
僕より今夜のTVがお目当てなんだ

TVっ子 愛しのTVっ子
よだれタラたらして 君はTVに夢中
君の気をひくためなら毒薬飲んでもいいよ

僕が車にひかれた事件を
あの娘は「6時のニュース」で知った
僕より今夜のTVがお目当てなんだ

TVっ子 愛しのTVっ子
鼻ピクピクさせて 君はTVに夢中
君の気をひくためなら空から飛んでもいいよ

TVっ子 愛しのあなた
目を白黒させて 君はTVに夢中
君の気をひくためなら空から
君の気をひくためなら空から
君の気をひくためなら空から飛んでもいいよ


2.星のラブレター

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

庭に出て 月あかりで あたたかい夜に
君に書いたラブレターを 読み直してみるよ
我ながら良く書けた文だ 三枚も書いた
コオロギが便せんに止まった 失礼なやつだ

君に会いに行くよ 君に会いに行くよ
愛してます 好きにしてよ 君に会いに行くよ

朝日通りは 夕飯時 いつもの野良犬たちが
僕の知らない 君の話 時々聞かせてくれた
年をとって生命がつきて 星のかけらになっても
昨日聞かせた僕の歌 町中に流れてる

君に会いに行くよ 君に会いに行くよ
愛してます 好きにしてよ 君に会いに行くよ

あんなに楽しかった夏休みだったのに
君のママとも仲良くなったのに
秋になって 冬を越えて サヨナラと言った
何十年 指折りかぞえて自転車に乗って また

君に会いに行くよ 君に会いに行くよ
愛してます 好きにしてよ 君に会いに行くよ


3.気球に乗って

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

ありったけの手持ちのゆとりや
ポケットの中のぬくもりを
ひずみきった国々に
ポツンと落としてやるのさ
要なしの人間なんているわけはないと
神様はいつも僕に言うけど
本当のところは口をつぐんで
誰も言おうとしないけど
気球に乗って ほこりになってゆられたい

今ひとつこの気球が昇っていかないのは
僕をおどらせる俗物どもが
足元にしがみついているからさ
胸いっぱい風を集めよう
名もなき同胞(とも)が抹殺されて
価値あるブルジョアが生き残るとするなら
真先に死ぬのはこの僕なのさ
僕こそ不必要なものだから
気球に乗って ほこりになってゆられたい

気流に乗って ほこりを捨ててゆられたい


4.逆立ちすれば答えがわかる

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

考え方しだいで 世界は丸かったり
考え方しだいで コンペイトウに見えたり
僕の住む世界は ゆがんでいるらしい
だけど ちょっぴり見方を 変えてみたら
となりの成金おやじが 仏に見える

逆立ちすれば 答えがわかる
きのうのうそが 本当に見える

考え方しだいで 世界は平和だったり
考え方ひとつで 終末に見えたり
僕の住む社会は 進んでいるらしい
だけど ちょっぴり見方を 変えてみたら
ニュースのあの娘の涙が へドロに見える

逆立ちすれば 答えがわかる
夕べの愛が ちんけに見える

逆立ちしよう! 答えをさがせ!
きのうのうそが 本当にみえる


5.恐怖の昼休み

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

今日も大きらいな ぶどうパン
見つからないように かくしちゃえ
食べたくない物は いつも机の中

おいおい おいらの身になれよ
カビたパンやみかんは コリゴリさ
日曜日にゃ くさくて みんなの笑い者

かんにん袋の緒が切れた
かずやの机は大暴れ

わ〜お わ〜お 恐怖の昼休み

手当たり次第に 教科書や
クラスメイトたちを 食べだした
まわりの机も つられて大さわぎ

ごめんよ神様 助けてよ!
給食残さず食べるから

わ〜お わ〜お 恐怖の昼休み

とうとうかずやも食べられた
あいつの胃の中 カビだらけ

わ〜お わ〜お 恐怖の昼休み

遠くで誰かが 呼んでいる
かあさんの声で目が覚めた

わ〜お わ〜お ちこくだ 朝ねぼう
わ〜お わ〜お ちこくだ 朝ねぼう


6.みちづれ

作詞:宮沢和史
作曲:小林孝至・宮沢和史

毎日僕あなたにあまえて ゴロゴロなまけていたいけど
周りの人が駆け足するから 何となく走っている

毎日僕あなたにキスして ベチョベチョ・グチョグチョしたいけど
あっちもそっちもオモシロそうだから 今夜も挙動不審

人生はイバラ道 そのうち食えない日も来るさ
今のうちに手に職を 持ちつ持たれつが合言葉

あなたの未来を僕の細うでで 色とりどりに飾りましょう
約束するけど老後はおねがい おまえと道づれに

毎日僕あなたのパパの将棋の相手をしたいけど
なかなか親睦深まらないのさ こっちを向いてよ!ダディ

毎日僕あなたのママと財テク談義をしたいけど
時々おかしな目配せするのさ 大きなおしりをフリフリ

人生はケモノ道 病にさされる日もくるさ
今のうちに手に職を 組んずほぐれつの渡り鳥

世界の全ての人にもれなく幸せつかんで欲しいけど
身近な奴から片づけたいのさ 僕と道づれに

にっちもさっちもいかなくなったら”せーの”でバットで殴り合い
二人の記憶を無くしてしまって 一から始めよう

人生はトライアスロン やっと泳いだら走らされ
ゆりかごから墓場まで ラットレースは止まらない

あなたの未来を僕の細うでで 色とりどりに飾りましょう
約束するけど老後はおねがい おまえと道づれに

おまえと道づれに


7.島唄(オリジナル・ヴァージョン)

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

でいごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た

でいごが咲き乱れ 風を呼び 嵐が来た
くり返す悲しみは 島渡る波のよう

ウージの森であなたと出会い
ウージの下で千代にさよなら

島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ
島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の涙

でいごの花も散り さざ波がゆれるだけ
ささやかな幸せは うたかたの波の花

ウージの森で歌った友よ
ウージの下で八千代の別れ

島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ
島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の愛を

海よ 宇宙よ 神よ いのちよ このまま永遠に夕凪を

島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ
島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の涙

島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ
島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の愛を


8.月さえも眠る夜

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

いつまで雨やどりを 続けてるつもりだろう
夏がふたつも過ぎたのに
涙が止まらないのを 雨のせいにしたいんだね
この胸においで

なにもかも捨てておいで
あなただけ連れておいで
月さえも眠る夜に

いつまで心閉じて 僕の手を拒むのだろう
花はいくつも枯れたのに
涙が止まらないのを タバコのせいにしてた
この胸においで

誰かと愛し合った
過ぎ去った季節まで
好きになってあげたい

言葉だけの愛が この街並をかざる
あなたに会って 初めて気付いた
二人が生まれた 本当の理由を

なにもかも捨てておいで
あなただけ連れておいで
月さえも眠る夜に

なにもかも捨てておいで
あなただけ連れておいで
月さえも眠る夜


9.真夏の奇蹟

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

街はCELEBRATION
喪服をまとって
子供らを生贄に
聖なる祭りは続く

愛してるって言って
あなたの口から
この世界が再び
まぶたを閉ざさぬうちに

地球より青い愛に気づいた二人
誰にも止められない 真夏の奇蹟

舵が狂ったNATION
イカルスのようさ
銃声が響いても
二人はキスを止めない

愛してるって言って
嘘でもいいから
古ぼけた方舟で
イエスが逃げ出す前に

地球より速く回りはじめた恋は
誰にも止められない 真夏の奇蹟

愛に傷ついて
また愛を信じた
約束は永遠と
疑わなかった二人

地球より速く回りはじめた恋は
誰にも止められない 真夏の奇蹟

地球より青い愛に気づいた二人
誰にも止められない 真夏の奇蹟

地球より速く回りはじめた恋は
誰にも止められない 真夏の奇蹟


10.有罪

作詞:宮沢和史
作曲:小林孝至

もしも宇宙に この惑星 二つあれば
いますぐ船に飛び乗り 逃げ出して
二度と結ばれぬ悲劇に泣けばすむ

有刺鉄線 二人を締めつけても
夏を追い越すくらいに求め合った

巡り合ったことが すでに有罪なのに

あなたの匂い あなたの体
あなたの声も なぜ?
あなたの仕草 あなたの温度
手を伸ばしたら すぐ届く

幾度 嘘をつけば地獄に落ちられる

殺意がたなびくなら 愛は有罪なのに

あなたの匂い あなたの体
あなたの声も なぜ?
あなたの仕草 あなたの温度
あなたの髪も なぜ?
あなたの吐息 あなたの素顔
手を伸ばしたら すぐ届く


11.berangkat―ブランカ―


12.帰ろうかな

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

雪帽子の猫柳 寝ぼけなまこのウグイ
春はまだかと待ちぼうけ 遥か遠いふるさと
忘れちまった童唄 名も無き子守唄
ないものねだりで逃げ出した 遥か遠いふるさと

帰ろうかな やめようかな 朝一番の汽車に乗って
帰ろうかな やめようかな 長いトンネルぬけて

道に迷った渡り鳥 おいてけぼりの案山子
冬はいやだと泣いている 茜色のふるさと

帰ろうかな やめようかな あの娘が働く町へ
帰ろうかな やめようかな 祭ばやしに乗って

宵待ち草が咲く頃にゃ ひとりぼっちが身にしみる
鳴くな 泣くなよ 夜ガラスよ
つられてこっちも泣けてくる

帰ろうかな やめようかな あの娘が働く町へ
帰ろうかな やめようかな 祭ばやしに乗って

帰ろうかな やめようかな 朝一番の汽車に乗って
帰ろうかな やめようかな 長いトンネルぬけて

帰ろうかな やめようかな あの娘が働く町へ
帰ろうかな やめようかな 祭ばやしに乗って

帰ろうかな やめようかな 朝一番の汽車に乗って
帰ろうかな やめようかな 長いトンネルぬけて


13.風になりたい

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

大きな帆を立てて あなたの手を引いて
荒れ狂う波にもまれ 今すぐ風になりたい

天国じゃなくても 楽園じゃなくても
あなたに会えた幸せ 感じて風になりたい

何ひとついいこと なかったこの町に
沈みゆく太陽 追い越してみたい

生まれてきたことを 幸せに感じる
かっこ悪くたっていい あなたと風になりたい

何ひとついいこと なかったこの町に
涙降らす雲を つきぬけてみたい

天国じゃなくても 楽園じゃなくても
あなたの手のぬくもりを 感じて風になりたい

天国じゃなくても 楽園じゃなくても
あなたに会えた幸せ 感じて風になりたい


14.手紙

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

毎日毎日、君に手紙を書いているんだけど、
なぜか出せないままでいる。
なにかと世の中、回るのが早くて、
昨日書いたものが、今朝にはもう白けて映るんだ。
急いで君に伝えたいことがあるわけじゃないし、
君が元気なのを僕は知っている。

ただ、こうして便箋にペンを泳がせ、
行間でお茶を入れては、日々の生活の隙間を埋めている。
生きているから時間が過ぎていくのか、
時間をつぶすために生きているのか、
時々それが判らなくなる。

たまぁに、人の顔が動物に見える時はないかい?
先日、飲み屋の客全てがいろんな動物に見えてきたんだ。
そこはもう、鳥獣戯画の宴のよう。
気味が悪くて、すぐ部屋に帰ったんだけど、
鏡に写る自分の顔を見て、やけにフケてきたなぁって思ったよ。
猜疑心と達観の間で、妙な顔色をしている。
人を傷つけた分だけ心が濁っていくのが、よく判るんだ。
ところで 嘘をついた時ほど寝つけない夜はないけど、
眠れない夜こそ自分に素直になれるっていうのも、おかしな話だよね。

Now I'm just standing here Winds rage upon me
Though I'm the only one I go on singing new songs

近頃、自分の周りでも世間でも、
嫌なニュースばかりが飛び込んでくるよ。
そんな時は、柳の木の下で、
まるで、みの虫のようにじっと待つしかないんだ。
風が止むのを待つのは、すごく長く感じるけど、
別に何も失うものはないし、
鼻クソほじってたって地球は回ってるよ。
それにしても、お気楽な音楽が蔓延してて、まるで公害のようだね。
この巨大な渦の中心にいるのは、いったい誰なんだろう。
きっと、誰もいやしないよ。
今は風が止むのを待った方がいい。
その間に僕らはナイフを研いでおくべきだ。

本当は、君も僕も人前に立つべき人間じゃないのかもしれない。
きっと、僕らの夢を完璧に成し遂げてくれるシンガーが出てきたら、
僕はギターとマイクを置いて、
そいつの歌に夢中になってるかもしれない。
僕はただ、音楽を愛していたいだけだ。
ロックンロールに、こめかみを撃ち貫かれたいだけなんだ。

Now I'm just standing here Winds rage upon me
Though I'm the only one I go on singing new songs

人々はもう、ロックンロールなんて必要としていないのかもしれない。
だけど、ロックンロールは決して死ぬことはない。
僕は、そう思いながら生きている。
誰かが僕を愛してくれるなら、
その全ての人を道づれにしたいと思ってるんだ。
ロックンロールの限り無き、うねりの中へ。

君も一緒に行かないかい?

今度、電話でもするよ。


15.時がたてば

作詞:宮沢和史
作曲:宮沢和史

荒く閉まるドア 煙だけが部屋に残る
雨足は早く もう君には追いつけない

捨て猫のように ひざを抱いて 微笑む君を
そっと抱き上げて 隠すように暮らした町

ああ 時が来れば わかることも あるはずだね
だから 今夜きりにしてしまおう 涙なんて

あの空高く 僕は飛んでみたいと言った
かわりばえのしない 生活を君は愛した

ああ 時がたてば 笑いごとに なるはずだね
だから 今夜きりにしてしまおう 涙なんて

明日になれば 二人の目には
違う景色が 朝日を浴びて 輝くだろう

荒く閉まるドア 時計だけが時を刻み
古いレコードが 部屋の隅で時を止める